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カナダの大麻企業 Tweed Marijuana Inc.(後の Canopy Growth Corporation、以下 Canopy)は、2014 年に証券取引所に株式を上場した、北米で最初期の主要上場大麻企業の 1 つ。大麻が 医療目的のライセンス制度 のもとで合法的に生産できるようになったことを起点に、産業が 株式市場で資金を集める段階 へと移行する転換点として、大麻ビジネス史で頻繁に参照される。本記事は産業の資本市場化の経緯を整理する。

ざっくり言うと

  • 何が起きたか — 2014 年、カナダで初めて大麻関連企業(Tweed、後の Canopy Growth)が証券取引所に上場し、産業が「投資の対象」になった
  • なぜ重要か — 「闇市場」だった産業が、株式市場で資金を集める正規ビジネスへ移行する象徴的な瞬間。その後の北米大麻 IPO ブームの起点
  • 日本との関係 — 日本では大麻関連企業の証券上場は法律上想定されていないが、海外の市場規模・産業構造を理解する基礎事例

何が起きたか

上場の経緯

  • Tweed Marijuana Inc. は、起業家 Bruce Linton らによって設立された
  • 本社・生産拠点は オンタリオ州 Smiths Falls旧ハーシー(Hershey)チョコレート工場 を転用した施設で、地域の雇用転換事例としても報じられた
  • 2014 年、Tweed は カナダの株式市場(TSX ベンチャー取引所)に上場 — 初期の上場大麻生産企業の一つとなった
  • 2015 年: 社名を Canopy Growth Corporation に変更
  • その後、トロント証券取引所(TSX)本則市場 へ移行
  • 2018 年: ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場(ティッカー: CGC)、主要米国取引所に上場した初期の大麻企業の一つとなった

Constellation Brands による出資

  • 米国の大手酒類企業 Constellation Brands(コロナビールなどを擁する)が Canopy に出資
  • 当初の比較的小規模な出資(2017 年)に続き、2018 年に大幅な追加出資 を実施し、大麻産業への大型機関資本の流入を象徴する事例となった
  • 出資額は数十億ドル規模と報じられたが、正確な金額・出資比率は時期により変動 しているため、最新の有価証券報告書での確認が必要

背景

医療大麻ライセンス制度が産業の起点

カナダでは、嗜好用大麻の連邦合法化(2018 年 Cannabis Act 施行)に先立ち、医療目的の大麻生産・流通を認めるライセンス制度 が整備されていた:

  • 1999-2001 年: 医療目的の例外的アクセス制度の整備が始まる
  • 2013 年: 医療大麻のライセンス生産者制度(Marihuana for Medical Purposes Regulations、MMPR) が導入され、Health Canada の認可を受けた事業者が商業的に医療大麻を生産・供給できる枠組みが成立
  • この制度が Tweed/Canopy をはじめとする商業的生産企業 の事業基盤となった

2018 年嗜好用合法化による加速

2018 年 10 月の Cannabis Act 施行(嗜好用合法化)により市場規模が拡大する見込みが立ち、上場企業の 時価総額・資金調達額が急拡大 した。一方、その後の市場では 供給過剰・価格下落・収益性の課題 が顕在化し、業界再編・減損計上が続いた経緯がある(別記事「カナダ Cannabis Act 5 年法定レビュー」参照)。

関連する論点・影響

産業構造

  • カナダの上場大麻企業群(Canopy、Aurora、Tilray、Aphria など)は、2018 年前後に 株式市場で大型資金調達 を行い、世界の大麻ビジネスの中心地の一つとなった
  • その後、Tilray と Aphria の統合(2021 年) など大型再編が相次いだ
  • 大麻関連 ETF(上場投資信託) や機関投資家の関心も、この時期に形成された

国際的な影響

  • カナダの「医療ライセンス制度 → 資本市場化 → 嗜好用合法化」というシークエンスは、米国の州別市場、ドイツ CanG、各国の医療大麻制度 と比較される産業形成モデルとして研究されている
  • 米国は連邦法上の規制(別記事「米 DEA リスケジューリング」参照)により、大麻関連企業の主要証券取引所上場・銀行取引に制約があり、カナダ市場との対照が議論されてきた

日本との関係

  • 日本国内では大麻取締法のもとで大麻草・大麻製品の所持・使用・栽培・輸出入が規制されており、嗜好用・医療用大麻の商業生産は認められていない
  • 一方、産業用ヘンプ・CBD 関連市場 は 2024 年改正大麻取締法の枠組みのもとで国内事業者の動きがあり、海外の資本市場動向は投資・産業政策の参照情報として扱われる

出典

出典 — Sources

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