品種図鑑 — 産業用ヘンプ — Type III (CBD 優位)
とちぎしろ — 日本固有の低 THC 産業用ヘンプ品種
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品種図鑑 — 産業用ヘンプ — Type III (CBD 優位)
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品種データシート
とちぎしろ は、栃木県農業試験場が在来麻から選抜育種 した、THC をほとんど含まない(0.3% 未満)日本固有の 産業用ヘンプ品種。1988 年に品種登録されて以来、神事用麻・繊維・建材・食品原料 として栽培されており、日本の伝統的な麻栽培を現代に継承する中核的な品種となっている。
日本固有の産業用ヘンプ品種。神事・繊維・建材・食品など、嗜好用ではなく実用目的で栽培されてきた、日本の伝統的な麻栽培の現代版。
とちぎしろは「精神作用を持たない大麻」として育種された日本独自の品種である。1948 年大麻取締法のもとで栽培が認可制となった後、文化財保護と産業利用を両立させるため、THC 含有量を法的基準以下に抑えた品種開発 が栃木県を中心に進められた。
特徴:
詳しくは別記事「栃木県の野洲麻 — 日本の伝統的麻栽培の継承」「神道と麻」を参照。
産業用ヘンプ品種として、樹脂産出は低く、テルペン濃度も嗜好用品種より低い。
とちぎしろは現代日本において、以下の用途で利用されている:
詳しくは別記事「神道と麻」を参照。
とちぎしろは Δ9-THC が 0.3% 未満 で、精神作用(ハイ)はほぼ生じない。CBD を含むものの、産業用品種としての利用が前提 で、医療目的の効果プロファイルを論じる文脈では Charlotte’s Web のような高 CBD 医療品種とは別物として扱われる。
研究文脈での言及:
栃木県は 江戸時代以前から続く伝統的麻栽培地 として知られ、戦前は数千軒規模の栽培者がいた。1948 年大麻取締法以降、栽培認可制のもとで栽培者数は減少したが、神事用・産業用麻栽培の継続 が文化財保護の観点から維持された。
栃木県農業試験場 は、1980 年代から THC 含有量を抑えた品種開発 に取り組み、1988 年にとちぎしろを品種登録 した。これにより、伝統的麻栽培の継承と現行法の遵守を両立させる枠組みが確立した。
2024 年改正大麻取締法のもとで 産業用ヘンプ栽培の認可制度が再整理 されたことで、とちぎしろの栽培認可枠組みも整備された。栃木県外(北海道・長野県・群馬県など)での栽培事例も拡大していると報じられている。
詳しくは別記事「日本の産業用ヘンプ栽培認可、2024 年改正法のもとで具体化進む」を参照。
とちぎしろは、日本の麻文化の現代的継承の象徴 として位置づけられる:
栃木県は 日本における産業用ヘンプ栽培の中心地 として、品種開発・栽培技術・伝統工芸の継承を一体的に進めている。
日本国内では大麻草・大麻製品の 所持・使用・栽培・輸出入は大麻取締法および関連法令により規制 されている。とちぎしろの栽培は 都道府県知事の認可 が必要で、認可栽培者のみが扱える。本記事は文化的・植物学的・産業的な解説を目的としており、特定の用途や個人栽培を推奨するものではない。
出典 — Sources
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